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スターリングラードの戦い 占領の証8

 ソコロフ達の連隊は“ママエフの丘”奪還が目標となっていた。ここから丘に行くには結構な時間がかかる。さらに、ジオン軍の戦力が重点的に配置されていると考えられるだろう。
「ああ、その通りだ」
 すると砲兵の1人が表情を暗くした。
「さっき聞いた話だが、“第62突撃歩兵師団”が“ママエフの丘”でわずか1時間で全滅したらしいぞ。たったの1時間でだ!」
「1時間!?1時間で全滅したのか!」
 “突撃歩兵師団”というのは、欧州東部戦線で即席に編成された歩兵師団のことで、ジオン軍の地球降下作戦後に徴兵された一般市民が大量に所属している。欧州戦線での歩兵師団の急な消耗に部隊補充が追いつかず、正規兵の減少もあって、現地でまだ軍属についていない若者が徴兵されたのである。ほとんどまともな訓練を受けずに戦場に投入されており、練度の大幅低下は否めない状況であった。これではただ単に若者を減らしているだけに過ぎないのだが、なにしろジオン軍の電撃的な戦線拡大で、訓練どころではなかったのだ。
 戦場に送り込まれた若者達は、将校の演説を聞きながらその場で、十分な整備がされていないような銃を受け取り、自分よりも上の階級の者にひたすらついて行くという、統制のとれていない攻撃であったのだ。
 だが、東部戦線に配置されている歩兵師団すべてがこの“突撃歩兵師団”というわけではない。また、戦争勃発直後に一般市民の中にも志願兵として入隊した若者は正規兵として扱われ、普通の“歩兵師団”や“機械化歩兵師団”、“機甲師団”に配属された。これらはある程度組織的な行動をすることが可能で、敵に対し効果的な反撃をすることができた。しかし、訓練を何年も積んだ正規兵よりは司令部の思ったように動くことはできなかった。
 ソコロフは、徴集兵でありながらも、銃の取り扱いや基礎訓練などをした経験があるために、“突撃歩兵師団”ではなく、「第96東欧狙撃兵師団」という一般の“歩兵師団”に配属された。同様に、キッパー軍曹やキース、イワノフ、クレシフ達もそうであった。ちなみに、欧州東部戦線では、通常の“歩兵師団”のことを“狙撃兵師団”と呼んでおり、狙撃兵が集まった師団のことではない。
「だが、命令がある。まだ出てはいないが、そのうちでるだろう」
 軍曹はあくまでも命令を守ろうとしていた。
「そうか・・・それが軍人としてあるべき姿なのかもな・・・」
 “軍人としてあるべき姿”・・・それは、一体どのようなモノなのか、ソコロフには分からなかった。
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スターリングラードの戦い 占領の証7

「残念ながら、戦車はいないらしい。仮にあったとしても、この状況じゃ、ザクに一方的にやられるだけだ」
「だとしたら、有効な戦力は対MS小隊・・・これを援護しなければこちらの負けか・・・」
 ソコロフが自分が持っているM72A1ライフルの弾薬をチェックしようとした瞬間、
「おい、足音が・・・」
 軍曹は無言で部下達に伏せるように指示した。そして、各自ライフルのセーフティーレバーを解除し、射撃体勢に入った。
 その足音は、階段からで、上の階から聞こえた。だが耳のいいイワノフはすぐにその音は味方の音だと気づいた。なぜならば、履いている靴の音が自分達の音と同じだったからである。
「おっと、なんだこの不気味な光景は・・・」
 上から下りてきたその2人の兵士は、味方が自分達に銃口を向けていることに驚いた。
「ん?なんだ味方か・・・」
「驚かすなよ・・・危うく味方同士で銃撃戦になるところだったじゃないか!」 
 片方の兵士が騒いだ。
「まあ、味方でよかったじゃないか。ところで、2人も機関銃小隊なのか?」 
「いや、残念ながら違うな。俺達は第65打撃砲兵連隊の生き残りだ」 
 砲兵隊がいるとは思わなかったが、この状況下では、各地で部隊が寸断されるのも当然のことだ。
「生き残りとなると・・・」
「ああ、俺達の連隊はジオンのMSに壊滅させられたよ。ったくあれは何だ?戦場であんなデカブツ見たの初めてだぜ・・・」
「ジオンがこれまで勝てたのも、全部MSのおかげさ」
「他にはいるのか?」
「屋上に2人いる。それだけだ」
 あまりにも少なすぎた。せいぜい迫撃砲ぐらいしか使えないだろう。
「そういえば、確か歩兵連隊は“ママエフの丘”を攻撃すると聞いたが、本当なのか?」

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スターリングラードの戦い 占領の証6

「今は・・・は、反対側に・・・いると思うが・・・もしかしたら、迫撃砲でやられているかもしれない・・・」
「反対側か・・・近いな・・・だが、この状況だ・・・」
 キッパー軍曹は窓からおそるおそる覗いた。反対側の建物はあまり迫撃砲の攻撃を受けていないらしい。その次に下を覗くと、ジオン軍の歩兵が4、50人ほどいた。さらに、大変なことにジオン軍の誇るMS(モビルスーツ)ザクが3機もいた。最悪なことに、動く様子はなさそうだった。幸いなことにまだ気づかれていなかった。
「こりゃまいったな・・・MSが1個小隊か・・・通り過ぎるのを待つしかないか・・・」
「軍曹、そんなことしていたら孤立しますよ!すぐに包囲されてしまいます。今すぐ攻撃を!」
 チェイコフ二等兵が焦った。それに同調するように他のみんなも焦り始めた。
「だが、たったこれだけの人数でできる訳がないだろう!よく考えてみろ!」
 副分隊長のクランスキー伍長が反論した。
 そんな中、通信兵のイワノフ二等兵が無線機で朗報を受け取った。
「軍曹!これを」
 無線機の受話器を渡された軍曹は、しばらく聞いたあと、軍曹の顔が少し緩んだ。
「みんな聞いてくれ!2つ朗報がある!」
 その内容は、みんなの顔を明るくする内容だった。
「1つ目は、反対側の対MS小隊が健在していることだ。どうやらここで待ち伏せをしていたらしい。あちらさんもこちらの状況が分かって喜んでいるらしいぞ。
 2つ目は、この付近には歩兵1個大隊と対MSが2個小隊が潜んでいるということだ。ちょうど俺たちの大隊で、すでに連絡は対MS小隊を通してしてある。ただ、大隊本部ががどこにあるか分からないんだ。あとは別に問題はない」
 ソコロフはふと思いついた。
「戦車隊はいるのですか?」

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スターリングラードの戦い 占領の証5

 3階くらいまで上がった。
「なんだこれは?」
 一番最初にかけあがったチェイコフが声をあげた。見た限り、なんの変哲もない寝室だったが、実際は違った。
「これは・・・・死体?」
 ベッドの上に1人、窓のそばに2人死体が転がっていた。しかも連邦軍だ。さらに、タンスに1人横たわっている兵士がいた。
「やっと来たか・・・」
 その兵士は重苦しい口をゆっくりとあけた。
「どこの部隊だ?」
「ど、独立第32機関銃小隊・・・アレクサンドロ・ザンチェフ伍長だ・・・」
 銃弾を受けたらしく、横腹を押さえながら話し始めた。
「クレシェンコ、ザンチェフ伍長の手当てを。それとキース、機関銃を窓から外してくれ」
 ザクの、「ズーン・・・ズーン」という重い音が聞こえ、ハーフトラックと戦車のエンジン音が鳴り響いていた。
「ザクを・・・た、倒せる方法は・・・ないのか?」
「ミックのバズーカなら、倒せないこともないが、頭部か関節部しか有効じゃない。それも、至近距離でだ」
「そう・・・か・・・。なら・・・そ、そこの無線を使うんだ・・・」
 机の上に小さな無線が置いてあった。
「よかった。使える!」
 背負っていた無線機が壊れて困っていたイワノフは、やっと自分の職務ができることに喜んだ。
「それで・・・だ、第12対MS・・・特技兵・・・しょ、小隊を呼び・・・だすんだ。・・・・ち、近くに・・・いる」
「第12対MS特技兵小隊?それって、俺たちが探している部隊じゃないか」
 クレシフが思い出した。
「どういうことだ?命令では、すでに壊滅状態だと・・・」
「軍曹・・・我々の命令は・・・」
「多分、指揮系統が混乱しているのだろう。この状態じゃ、どこがどうなっているか分かるわけがない」
 そもそも、司令部自体が機能しているのか分からない。ソコロフは、そんな状況に悲観した。
「こんな状態で俺たちは勝てるのか?・・・・」
「それで、伍長。対MS小隊は今どこにいるか分かるか?」

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